未練のない人生生きれてる？
約3週間の長い喧嘩が先日ようやく終わりました。
疲れました・・・
その時気分転換に読んでいた小説が、
「黒猫の小夜曲(セレナーデ)」。
表紙からは想像できないようなミステリーで、
すごく面白い物語でした！
正直表紙は私の好みではないのですが、
読み終わった後に見ると、
う～んぴったりですね笑
あらすじは、
高位の霊的存在である「道案内」の僕。
ある人物に推薦されてしまい、
嫌々ながら黒猫の体を借りて、
成仏できない魂の<未練>を解消するため
地上に降りてくる所から話は始まります。
地上で出会った記憶喪失の魂や、
他の魂の未練を解消していくなかで、
ある製薬会社が背景に浮かび上がって
くるのですが、その会社では、従業員も
知らない秘密の研究が行われていて・・・。
読んでみると、表紙からは想像できないほどの
本格ミステリーで、良い意味で裏切られました。
黒猫の「クロ」のマイペースぶりに、微笑ましい
気持ちになったり、後半はハラハラしたり、
涙ぐんだり、ぐいぐい引き込まれて、
どんどんページをめくってしまいます。
作者の紹介を見てまたびっくり。
現役の医師さんらしいです。
でも読み終わると、分かります。
さりげなく医師の視点を盛り込んでるなって。
重くなりがちな命の話を、
うまくファンタジー要素で包み込んでて、
抵抗なく読めます。
☆少しだけ印象的な文をご紹介☆
人間はわずかな時間しか与えられていない。
だからこそ必死にもがき、
合理性よりも自らの感情を優先して行動するのさ。
その短い時間を精一杯輝かせるためにね。
頭で分かっていても、結局最終的な判断は
感情だったりしますよね～。
はっきりとした未練ではなく、無為に過ごした人生に
対する後悔からくる、曖昧な未練。
無為に過ごしたなぁ～って後悔して、
死んでからも彷徨い続けたくないよね～。
反吐が出るほどの醜さや残忍さと、感動するほどの
優しさと気高さ、その両方を内包する存在。
本当に人間とはよく分からない。
人間ってほんとになんなんでしょう。
なんでこんなに単純なのに、複雑で、
弱いのに強くて、残酷なのに優しさも
あるんだろうね。
誰しも色んな面を持ってるから、
それも自分だしって、
自分で認めてあげなきゃね。
＊ちなみにこちらは第2弾で、読み終わってすぐ第1弾の「優しい死神の飼い方」も買いました♪
命関連でいくと、「鹿の王」シリーズも面白かったです！
こちらは2015年の本屋大賞第1位、第４回日本医療小説大賞受賞作品。
作者は有名な「精霊の守り人」シリーズの上橋菜穂子さん！
「精霊の守り人」シリーズは、
学生時代に読みましたが、やっぱりしっかりと
作りこまれたファンタジーなんですよね！
ファンタジーで終わらないというか、
実際にその世界が存在しているかの
ような錯覚に陥るというか。
「鹿の王」のあらすじは、
故郷を守るために命をも投げ出す
独角(どっかく)という集団の頭、
ヴァンが戦いに敗れた後、奴隷として
岩塩鉱で働かされるところから始まります。
ある晩謎の獣に奴隷達は噛まれるも、なぜか
ヴァンと、幼子の女の子だけ生き残ります。
二人が逃亡を続けている頃、東乎瑠(ツオル)
帝国の医術師であるホッサルも、原因究明の
ため、岩塩鉱へ。
やがて帝国にも謎の獣が現れ、病が広がって
いきます。不安が広がる中、囁かれる陰謀説、
帝国に吸収されてしまった＜火馬の民＞の
復讐、様々な事柄が絡まりあい、一つの結論
が導かれます。
☆印象的な文章の紹介☆
他者を生かすことで、自分も生きる。
他者を幸せにすることで、自分も幸せになる。
永遠の真理だと思います。
変わらない真実。
この世に生きる者、誰一人として、病から完全に自由な
者はいないんだ。
生き物はみな、病の種を身に潜ませて生きている。
生の中には、必ず死が潜んでいる。それでも、
そうして生きるしかない。
かぼそい命の糸を切られてしまわぬように、懸命に
糸をつなぎ直しながら。
私も大切な人を病で亡くしているので、
死は当然にやってくるものだと分かっていても、
それでも、
なぜ？？
なぜあの人が死ななければいけないのか？？
と思わずにはいられませんでした。
病なんて、なんで存在するんだろう？
なんで？なんで？
と考えても答えがでないことで頭がいっぱいになったことも。
現代の医療は進歩してるといっても、
日夜世の人々がお金と時間をかけて研究やらを行っても、
人間の全てを解明なんて出来ていないし、
これだけの人が苦しむ癌への特効薬だって出来ていない。
でも、それほどに人間って複雑な生き物なんですよね。
どちらもおすすめです☆
ぜひ読んでみてください～( *´艸｀)
